2017/01/11おすすめ本『翻訳できない世界のことば』

少し遅くなってしまいましたが、新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2017年はこのブログで、オススメの本や映画などの作品を、たくさんご紹介していきたいと思っています!

さて、皆さまはお正月に、書き初めをしましたか?
小・中学校のころは冬休みの宿題としてあり、書くべき文字は決められていました。それでも墨を磨り、筆で文字を書くというのは、それだけで背筋が伸びる思いがしたものです。「夢」や「希望」といった、普段つかっている言葉が、そのときは何だか特別な意味があるような気持ちになりました。

自分の国の言葉でも「不思議だな」と思うことがあるのですから、他の国の言葉は、なおさら不思議です。

異国の不思議な言葉に触れてみたくなったら、この本を手にとってみてください。

『翻訳できない世界のことば』 
エラ・フランシス・サンダース著 前田まゆみ訳(創元社)

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「木漏れ日」は英語に翻訳できない、英語では表現できないという話を聞いたことがあります。
この本は、そうした「その国でしか表現できない言葉」を絵本のような可愛らしさ、優しさで教えてくれます。
言葉や文化が違っても、同じ人間。
「ああ、そういう気持ち、わかる」とうなずき、
「でもそういえば、日本語にはそれを表す言葉がないなぁ」と首をひねり、
言葉のおもしろさを味わいながら、ゆっくりと、ページをめくっていくことができる本です。

私が一番「あるある!」と思ったのは、この言葉です。

IKTSUAPPOK(イクトゥアルポク イヌイット語 名詞)
意味:誰か来ているのではないかと期待して、何度も何度も外に出て見てみること。


また、面白いなと思ったのは、

PISANZAPRA(ピサンザプラ マレー語 名詞)
意味:バナナを食べるときの所要時間。


PORONKUSEMA(ポロンクセマ フィンランド語 名詞)
意味:トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離。


これは、その国だからこそ生まれた言葉ですね。
日本にも何かないかなと思い、
そうだ「味噌汁が冷めない距離」があるじゃないか!
と思ったら、これはイギリスの「スープが冷めない距離」が元になっているそうです......。

ちなみに日本語で紹介されているのは、
「木漏れ日」「侘び寂び」「積ん読」「ぼけっと」
木漏れ日と侘び寂びは予想していましたが、積ん読、ぼけっと、は予想外でした(笑)

この本の第2巻が出ていないかなとWeb検索で調べてみたところ、
『誰も知らない世界のことわざ』という本が出ていました! 
近日中に購入したいと思います(笑)