2018/02/08 検察側の罪人(下)読了


みなさまこんにちは。

昨年の10月
「検察側の罪人(上)読了しました♡」
とブログを書いてから、4カ月が経ちました。

感想報告がまたまた遅くなってしまい申し訳ありません。

前回お伝えした通り、上巻ではあらすじ以上の情報を得られず

「正義とは!?」

の正解に、読み進めている最中にたどり着くことはありませんでした。

しかし

下巻に入り物語は加速し、作中で描かれる「正義」についての理解が複雑化していきました。

読者の間でも「何が正義なのか」下巻で、意見がわかれてくると思います。

(以下、ネタバレ含みます)

さて、上巻の様子から見て取れるように

この物語はあらすじ通り、そして読者の想像通りの展開を迎えます。

そうです。

最後、殺人に手をそめた最上検事はお縄となります。

では、ここで、

最上をお縄につけた沖田は

「これが正義だ! わはははは!」となったのか。

答えは「ノーです」

しかもこのノーは、

じゃあお縄につけなかったら「イエス」になるのかというと、

そうではないのです。

ここが今回の小説の味噌なわけで、

決して読後感がいい作品ではありませんが、

本を読み終えたとき、読者それぞれが、

なんとなく心に「正義とは何か」に対する自分の答え、を思い浮かべることができるはずです。


ところで、警察もの、弁護士ものの作品は多いですが

検察ものの作品はひじょうに数が少ないです。

本作では、普段は知る由もないような検察の実態が、リアルに描かれていますので、そういった部分も楽しんでいただけるのではと思います。

加えて、作中で「正義とは何か」を考えるための主軸となるテーマが、

検察としてはナイーブな問題であろう「冤罪」を扱っている所が興味深いですよね。

こうした複雑かつ繊細な要素をもりこんだこの作品が、今年、映像化されることによって、どのような描かれ方をするのか、そちらも気になります。

ちなみに、
沖野を演じる二宮さんと同じアイドルグループに所属する、嵐の松本潤さんが、
現在、日曜劇場で『99.9%』というドラマに出演されています。

こちらは弁護士が主人公の作品です。

日本では一度起訴されれば99.9%有罪になります。

しかし本作は、松本さん演じる深山が、事件に隠された残る0.1%の事実を追求し、冤罪の危機から依頼者をつぎつぎに救出していく逆転劇になっています。

ひじょうに痛快なドラマですので、検察側の罪人をみて「すっきりできなーい!」とムズムズする方は、
こちらもあわせてチェックしてはいかがでしょうか☆

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