みなさんこんにちは!
11月も、もう半ばに差し掛かり、一段と寒さが増してきたように思います。
この時期は お家でぬくぬくまったり過ごしたいというのが、私の希望です。
そのまったりに欠かせないのが、 こたつでミカン、サツマイモ、お鍋......など、
持て余している食欲を満たす美味しい食べものたちです。
ただ、食っては寝〜食っては寝〜だけを繰り返すのではなく、
読書を取り入れてみると、とっても有意義な一日になりますよ。
本屋さんでも、「冬こそ読書を!」とさまざまなフェアを実施している店舗が目につきます。
私もぜひ皆さんに「冬こそ読書を!」楽しんでいただきたい、と思っています。
じゃあじゃあ、
何を読もうか。
はい、そこで、ライティングの本を! と言いたいとことですが(笑)
今回は、我が身を押さえて押さえて、出版界全体の活性化のために......
紀伊國屋書店さんが実施している
『キノベス! 2017』
という読書フェアから、オススメの書籍を取り上げたいと思います。
キノベスは、紀伊國屋書店のスタッフさんたちが「全力」でおすすめする書籍を、
1位〜30位までのランキングにしたものです。
そして本日は、さらにその中から『ライティングが 「全力」でおすすめする書籍』をご紹介したいと考えています!
「今年一年、なんか流されて過ごしたな〜」
そんなあなたへ
キノベス第9位 『コンビニ人間』 村田沙耶香 ![]()
周囲から「変わった子」と言われていた主人公は、
マニュアルですべての行動が決まっているコンビニで働き始めたことで
「マニュアル通りにしてさえいれば、"変わった子"と、言われなくて済む」
「コンビニこそが、私の生きる場所だ」と、確信します。
自分はコンビニの「部品」、そこに自身の存在意義がある......
どこか社会の闇を感じる本作の中で、「普通とは何か」を読者に問いかける著者。
ユーモアのセンスも感じるが、リアリティある内容で、考えさせられるシーンも多々あります。
人に合わせることも必要だけど、「普通」だとか「常識」だとか、そういうものに捕われるのではなく
「自分の選択」を持つことが、いつもと同じ明日を、ちょっと明るくする魔法になったりするんです。
ちなみに
「まだコンビニ人間を読んだことがない」
という弊社のファンの方からは
「コンビニは現代の象徴って感じがして、一回バイトしてみたいとは思っていたけど結局しなかった。コンビニで働いてる彼氏なしの女の子とか一回付き合ってみたいなと思う」
という変わったコメントが寄せられました。笑
「コンサートってちょっと苦手......だって眠くなるんだもん」
そんな人へ
キノベス第3位 『蜜蜂と遠雷』 恩田陸 ![]()
「この本があれば、もうコンサートにはいかなくてもいいです」
いや、さすがにちょっとそれは言い過ぎました。
でも、この本を読んで、心からそう思ったのです。
皆さん、小説を読んでいるときに、
頭の中で物語が、"イメージ"として広がって、登場人物の声を想像し、景色を思い浮かべ
その世界に引き込まれた、そんな経験をお持ちの方は多いと思います。
ですが、そういった想像を超えて、
音を耳で聴いていないのに、もはや"これが本物の音楽"だと確信する、
こんな経験をした人は、この本の読者だけのはずです。
衝撃の一作、文章の可能性を、同時に音楽の素晴らしさを、これほどまでに広めた本、ありません。
コンサートに苦手意識がある方、普段クラシックなんて全然聴かないよという方、
ぜひご一読ください。世界が変わりますよ。
「月が綺麗ですね」 あの名台詞が大好き......自分もセンスのいい会話がしたい。
そんな願望をお持ちの方へ
キノベス第1位 『翻訳できない世界のことば』 エラ・フランシス・サンダース/前田まゆみ(訳) ![]()
この本は、以前ライティングブックスでもご紹介したことがあります。
つまり、とってもイチオシの1冊ということです。
その魅力を知るうえでは、ぜひ、過去のブログをチェックしていただきたい、そう思います。
熱く熱く語っておりますので。理が非でも。(笑)
ブログURL: https://righting-books.jp/blog/2017/01/post-26.html
しかし今回、当企画を知った、その情熱ブログを書いた、あるライターさんが、
改めて、灼熱のコメントを送ってくださいました!
「侘び寂び」は翻訳できない日本語である、と、以前なにかで読んだ気がします。
日本人だからこそ理解できる、独特の表現。そんな言葉があることが嬉しくて「日本語はすごいだろう」と内心ふんぞりかえっていたら、この本に出会い、天狗の鼻をへし折られました。
日本人ではとても思いつかないステキな表現が、世界にはたくさんあります。
それは「侘び寂び」のように、その土地で生活する人々の感覚や気持ちを表現するもの。
たった一言で、ドラマのような場面が想像できる言葉。
IKTSUAPPOK(イクトゥアルポク イヌイット語 名詞)
意味:誰か来ているのではないかと期待して、何度も何度も外に出て見てみること。
スマホの予測変換で「いつも使っている言葉」から離れて、
「あまり使わない、でもステキな言葉」を探してみるのもいいのでは?
かる〜い気持ちで、 私が「本にひと言ふた言コメントあったら嬉しいな〜」なんておはなしさせていただいたところ、
まじもののコメントをいただきまして(笑)
まだまだ、熱ささめやらぬご様子が伝わってまいりました。
この本では、世界各国のさまざまな言葉を順に紹介し、その言葉たちに、それぞれどんな意味が含まれているのか、何を表現しているのか、説明書きが添えられています。
単純な本ですが、一つひとつの言葉から、人々の生き方、考え方、価値観が見えてくる点に、じつに興味をそそられるのです。
表現の仕方は違うものの「コンビニ人間」のように "人の価値観""生き方"についていろんな視点から教えられる1冊です。
「あ、世界って広くて、豊かで、さまざまで、だから魅力があるんだ」
本を読み終えたときには、心も豊かになっています。
これであなたも、夏目漱石に一歩ちかづけるかも?
キノベス! 2017 URL→https://www.kinokuniya.co.jp/c/kinobest2017/